さいたま市浦和区の中山道沿いに鎮座する「調(つき)神社」。地元では「つきのみやさま」の愛称で親しまれています。調神社は「調(つき)」が「月」と同じ読みであることから、江戸時代に月待信仰に結びつき、月神の使いとされる「兎」が神社の神使になりました。そのため、境内入口両側には「狛犬」ならぬ「狛兎」が祀られ、境内のあらゆるところで兎の石像が見られます。
調神社の歴史
調宮縁起(つきのみやえんぎ)という1668年に書かれたと見られる古文書によると、第9代開化天皇の時代に創建され、第10代崇神天皇の勅命により伊勢神宮に献上する調物(貢物)を納める倉庫を建て、集積運搬所に定めたとのことで、そのため貢物搬出入の妨げになる鳥居がないと伝えられています。
また、平安時代中期の905年に醍醐天皇が編集を命じた法典である「延喜式神名帳」に、武藏國四十四座のうちの一社と記載されています。
江戸時代には幕府の庇護を受け、『江戸名所図会』にも当社が掲載されており、小林一茶や平田篤胤など多くの文化人が参詣しているそうです。
兎がいっぱいの境内を散策
調(つき)神社はその社名からツキを呼ぶ勝負事のパワースポットとしても有名で、浦和レッズの選手や監督たちが毎年、新シーズン前に必勝祈願に訪れます。